当初は体育館で皆さんが集まる中終業式を行いたいと考えていましたが、県内でも感染が急拡大していることもあり、今日の終業式はリモートの形にさせてもらいました。北高は現時点では学級閉鎖や休校まで至る状況ではなく、皆さんが感染対策に協力してもらっているおかげだと思っています。ありがとう。引き続きマスクの適切な使用、換気、手指消毒など基本的な感染症対策を徹底し、お互い気を付けながら生活したいものです。

 今日は、学期の始めに皆さんに伝えた、読む力・書く力・伝える力について、その活用対象を広げてほしいという話をします。

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 1学期の始業式、入学式に、私からは高校生活で身につけてもらいたいこととして、「読む力」「書く力」「伝える力」を養ってほしいことを話しました。

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 そのときも伝えたように、読む、書くといっても授業で使う教科書や教材などを使って読んだり書いたりすることだけを指すのではないこと、伝えることも言いっ放しではなく、受け取る相手のことを考えながら伝えることも含んでいます。
 このほか、「互いに支えあう人間関係の構築」や「社会人として期待される挨拶や言葉遣いなどのふるまい」について話をしました。1学期を振り返って、この3つのことがらが身についてきたでしょうか。

 学期中は、読む、書く、伝えることを活用する場面として、教科書や授業の教材などを使って読んだり書いたりするように、授業中や学校での活動が中心だったと思います。夏休みはぜひこれを家庭や地域での生活の中に広げて養ってほしいと思っています。
 例えば、毎日の新聞を読む、本を読んで感想文を書く、地域の活動やボランティア活動などに参加して交流する、高校生対象のイベントなどに参加するなど、授業を離れた経験が、これらの力に厚みを持たせることになります。

 昨日、津和野研修に希望して参加した2年生普通科の皆さんの感想文を読ませてもらいました。その中で私が感じたことが、この経験の厚みについてでした。
 感想文の中で多くの人が書いていたのは、「申し込むときにどうしようかと考えていたけれど、思い切って申し込んでみてよかった」とか「知らない人と交流する事が不安だったけどやってみたらとても楽しかった」「自分は人と話をすることが苦手だと思っていたけれど、周りの人に声をかけられてからは自分から話すことができるようになった」という、行動を起こす前の不安な気持ちやためらい、そして実際の経験を通して得られた喜びについてでした。思い切って日常を超えたところに踏み込んでみて得られたものについて、「やってみてよかった」という気持ちがあふれる言葉が並んでいました。
 確かに日常の流れに身を任せて、その中で行動していく方が楽ですし、余計な不安や心配をすることは少なくなるでしょう。しかし、思い切って何かの行動を起こせば、行動する前に想像したことを遙かに超えるものを得ることができることがあるのです。

 北高で力を入れている勉強と部活動の両立ということも、実はこういう経験の厚みを通して人間としての力を養っていくということなのだと私は考えています。

 夏休みは学校の生活時間を離れて、自らの判断で時間を使うことができます。是非ともこの経験の厚みを増して、より豊かな読む力、書く力、伝える力を養ってください。

 今日は読む、書く、伝える 活用の対象を広げる という話をしました。夏休みを充実したものにして、2学期の飛躍につなげてほしいと思います。